XP != Undocument


ブームも一段落した感があるXPですが、実際の現場への適用率・定着率ってどのぐらいなんでしょう? 私の関わっている所でも一部導入してみたりしていた様ですが、恒常的になっているという話は今の所 あまり聞きませんね。

導入が進まないのは、やはりこの手法を導入する際、顧客の承認が必要になるからでは?と思っています。 実際の開発現場としては、案件を受けてから(常駐契約で無い限り)自社で開発を行うのが一般的ですし、 そうなると、オンサイト顧客であるとかいった顧客サイドとのほぼリアルタイムなやりとりはなかなか望め ないのが現実ですので、普段有効に活用出来そうなのはペアプログラミングぐらいしかぱっと思いつきません。

さて話は変わりますが、XPと言うとドキュメントレスな開発と思い込んでいる人が多いと思います。 実際、私の周りでも「ドキュメントを書かなくて良いからXPがいい」みたいな感じでXPを気に入っている 人達もいるようですが、現実はそんなに甘いものではないです。 ドキュメントを作成するのは結構労力がかかるので、そう思い込みたい気持ちは分かるのですが。

完全に自社開発のプロダクトであろうと、受託のプロダクトであろうと、結局はドキュメントは後々の為に 必要ですし、特に受託プロダクトだと納品物にドキュメント一式が含まれているのが普通ですので、これを 避けて通るのは現実的には非常に難しいです。 完全に動作するプロダクトがいくらあろうと、ドキュメントが無ければ検収は通らない訳でして、「XPで やりましたからドキュメントはありません」などとふざけた事は口が裂けても言えない訳です。

お堅い所を相手にそんな事を言おうものなら、検収はおりないばかりか次のフェーズや別の商談なんかも まるっきりパーになりかねません。ていうか、実際に顧客にこんな事を言ってしまった例が割りと身近に ありまして、見事にその後の商談が吹っ飛んでました。

顧客も巻き込んで、本当にドキュメントレスで開発出来る様になれば、それは素晴らしい事だと思いますが、 結局は後々の保守の為なんかを考えると、きっちりと作成しておいた方がその時若干楽をするよりも結局 総合で楽になったりするような気がします。作りっぱなし売りっぱなしなシステム開発をやらない限りは。。。


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